stroller.blog.eonet.jp > 1927年(昭和2年)の発電所の工事

イントロダクション

 ある古書市で埃まみれのままで積み上げられていた書籍や古いアルバムの中の一冊です。通常、私は個人の古いアルバムなどは購入しないのですが、何気なく手に取ったアルバムには、古いダムの工事現場や海外視察の際の写真がありました。

 今回、ここに公開するのは、その写真のうち、1927年6月に撮影された成羽川発電所工事の部分です。成羽川発電所は、撮影された一年半後1928年12月に完成し、約四十年間使用されました。現在も遺構の一部が残っています。(アルバムの中では、NARIWA POWER PLANT と表記してありますので、解説部では成羽発電所としてあります。)
 
 さて、このアルバムはここに写っている人物が撮影したものだと思われます。アルバムは、まず岡山県の西部、広島県に近い地方に伝わる伝統芸能である渡り拍子と呼ばれる神事の写真から始まります。

 そして、驚くことにアメリカ・ワシントン州 Skafit川のGorgeダム発電所、建設中だったBaker川ダムを視察を行っています。その後、豪華客船Aquitaniaでアメリカからフランス・シェルブールに渡ります。そして、スコットランド、イギリスで港湾施設などを視察、さらにノルウェー、スウェーデン、ドイツ、スイス、フランスでも発電関係や港湾施設などを視察。最後には、日本郵船が欧州航路で運航していた諏訪丸に乗船し、インド経由で帰国するまでの写真があります。(これらの写真も、整理した後で、順次公開していくつもりをしております。)
 
 そのアルバムの後半にあるのが、ここで公開する1927年春から6月までの成羽発電所における写真です。
 1927年という年は、昭和大恐慌が起こり、戦火が次第に日本に忍び寄ってきた一年でした。建設現場の写真を見ると、アメリカからの技術導入が積極的に行われているようです。わずかの年月で、こうした平和な日々が崩れてしまったということも理解しなくてはいけないなと思います。

 写真の撮影者のお名前や役職、成羽川発電所のどの部分に当たるのかなどは、まだ詳細がわかっておりません。

 今回、みなさんにご覧いただくことで、それぞれの調査、研究のお役に立てばと思います。